2.高分子鎖の化学構造ってどんなふうになってるの?

2.1高分子鎖の化学構造

 

高分子鎖の化学構造って?

高分子を構成する分子の位置関係のことである。

高分子鎖の化学構造の分類

結合様式、共重合形式、立体規則性、立体配座によって決まります。

それぞれの要素の分類を紹介します。

結合様式として、頭ー頭、頭ー尾、尾ー尾結合の3通り。

共重合形式として、ランダム、交互、ブロック、グラフト共重合体の4通り。

立体規則性として、二連子、三連子など。

立体配座として、回転異性体があります。

 二連子って?

二連子は、旋光性がある分子2個、隣り合う繰り返し単位です。

旋光って?

平面偏光の偏光面が回転する現象です。

光は、分子を通過するとき、電子が光の電場と相互作用するので、分子内に対象面をもたないキラルな分子は、左右の分子が異なるため、左右で電子と光の電場の相互作用が異なることで生じる。

旋光性って?

エナンチオマーと平面偏光との相互作用のことです。

右旋性をdや(+)と表し、左旋性をlや(-)と表す。DL表記とは別です。

エナンチオマーって?

鏡像異性体キラルな分子その鏡像の分子をそれぞれエナンチオマーとよぶ。

旋光性の分類

右旋性と左旋性がある。それぞれdや(+)、lや(-)と表す。

光の進行方向に向かって、

時計回りに回転することを右旋性、反時計回りに回転することを左旋性とよぶ。

二連子の分類

メソ、ラセモ連子がある。

ここで、メソ二連子はm(dd,ll)、ラセモ二連子はr(dl,ld)。

三連子の分類

イソタクチック、ヘテロタクチック、シンジオタクチック三連子がある。

これらの3つ立体配置は、

イソタクチック三連子はmm(ddd,lll)、

ヘテロタクチック三連子はmr(ddl,dll,lld,ldd)、

シンジオタクチック三連子はrr(dld,ldl)です。

 

三連子の繰り返しのポリマーをそれぞれヘテロタクチックポリマー、ヘテロタクチックポリマー、シンジオタクチックポリマーと呼び、規則性のないポリマーをアタクチックポリマーと呼ぶ。

2.2高分子鎖の広がり

高分子鎖の広がりって?

特に溶液中では、高分子鎖はミクロブラウン運動により形が変化し続ける。ここで、高分子さの広がりとは、考えられる形状すべてについての平均的な大きさのことである。

高分子鎖の広がりは何で決まる?

高分子鎖の広がりは、平均二乗両端間距離<R2>と平均二乗回転半径<S2>で表される。

また、高分子鎖の骨格に沿って、近接と遠隔部分に働く近接、遠隔相互作用が使いやすい。近接相互作用=炭素骨格に関連した作用で、遠隔相互作用=排除体積効果がある。

ここで、遠隔相互作用は繰り返し単位の相互作用と溶媒を通じた相互作用との平均力ポテンシャル=引力と斥力のことである。

理想鎖って?

シータ状態における高分子鎖を理想鎖という。

適当な溶媒により、引力も斥力も働かいない=排除体積効果のない状態がつくることができ、この状態をシータ状態という。

理想鎖の分類

理想鎖には、

屈曲性高分子、半屈曲性分子の二種類があります。

屈曲性高分子には、自由連結鎖、自由回転鎖、束縛鎖があります。

半屈曲性高分子には、みみず鎖があります。